事業内容

海外環境協力

大気汚染総合対策計画(マスタープラン)の策定

開発途上国の環境問題は、地域の産業振興や交通需要の拡大にともなって深刻です。日本国でも政府開発援助(ODA)による海外環境技術協力を行っています。数理計画の環境技術は、国内での経験や新たな科学技術の活用の分野で運用されています。大気汚染総合対策では、都市の大気汚染の現況について、汚染状況の調査・評価を行うとともに、社会経済状況の変化を重ね合わせた工場等の固定発生源、及び自動車や船舶等の移動発生源に関して、現状把握及び将来の汚染状況を推定し、今後とるべき対策案の計画化を支援するものです。
プランニングの調査内容は、①大気汚染モニタリング、②気象観測、③固定発生源及び移動発生源のインベントリー作成、④汚染構造の解明、⑤拡散シミュレーションによる将来予測、⑥総合的な実施対策の策定などになります。

技術協力プロジェクト

技術協力プロジェクトは、JICA([独]国際協力機構 : Japan International Cooperation Agency)の専門家の派遣、研修員の受入れ、機材の供与という3つの協力手段(協力ツール)を組み合わせて、一つのプロジェクトとして実施される事業です。
モンゴル、メキシコ、ルーマニア等の案件では、関係機関とも連携し、大気汚染対策に関わる人材育成と行政能力の強化に関する支援を行っています。例えば、①発生源インベントリ構築をはじめとする大気汚染発生源の解析、②大気環境評価能力の構築、③大規模・中規模のボイラを対象とした排ガス測定の継続的実施、④汚染源に対する行政の規制能力強化に向けた取組、⑤大中規模の大気発生源に対する対策の喚起、⑥合理的な大気汚染防止対策策定・実施に対する技術情報の活用とその一般への普及など。技術力アップに関しては、①ISO17025認定の取得支援、②C/Pの大気質モニタリング戦略計画のためのガイドライン作成支援、③C/Pの研修プログラム企画・実施能力向上等の支援を行っています。

ボイラの排ガス測定

モニタリング局舎

GHGインベントリ

国連気候変動枠組条約(UNFCCC : United Nations Framework Convention on Climate Change)では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC : Intergovernmental Panel on Climate Change)のガイドラインに基づき、当該国の国家GHGインベントリー(GHG排出源・吸収源ごとの人為的な排出量・吸収量)を算出し報告することを求めています。
国家GHGインベントリは、環境分野の国家統計であり、気候変動に対応する政策策定の基礎データとなります。GHGの排出状況を把握し効果的に削減するには、排出・吸収量算定方法が明確なインベントリを定期的に作成することが重要であり、数理計画では標準化作業を通じて技術協力を実施しています。

廃棄物の収集①

廃棄物の収集②

GHG削減に係る新メカニズム

日本国が進める温室効果ガス削減に係る国際連携に関して、JCM/BOCM(Joint Crediting Mechanism/Bilateral Offset Credit Mechanism)制度の実現可能性調査・MRV(Measurable, Reportable, Verifiable)モデル実証調査は、政府が2013年以降の導入を提案している二国間オフセット・クレジット制度の知見・経験を集積することを目的として実施しています。

JCM/BOCM実現可能性調査は、二国間オフセット・クレジット制度の下での実施が見込まれる事業・活動を想定して、当該事業・活動に適用可能なMRV方法論を開発し、当該事業・活動が本制度の下で実施される可能性を調べています。

MRVモデル実証調査では、二国間オフセット・クレジット制度の下での実施が見込まれる事業・活動案件を対象に、温室効果ガス(GHG)排出削減量を測定し、報告、第三者検証を行うことを、当該調査の中で実施しています。これらの調査を通じ、考案したMRV方法論案を改善し、実際の制度で活用できる方法論の確立を進めています。

煙突からの排煙

高台から見た市内

都市交通計画の策定

経済活動が急速に拡大している途上国では、交通インフラの不充分さから都市交通が自動車に過度に依存しているため住居周辺の大気汚染が深刻になり、二酸化炭素(温室効果ガス)の排出が増加しています。大量の自動車による環境への負荷を食い止めるためには、自動車の排ガス規制の強化や公共交通機関への転換、適切な交通流制御の導入などの環境に配慮した都市交通計画が求められます。このような都市交通計画を構築するためには、自動車単体に目を向けるだけでなく、その計画による総合的な環境負荷を評価し適正化する施策を選択する必要があります。ここでは、都市交通環境を評価するシステムを構築し、より良い交通計画作りを目指した技術協力を進めています。

信号待ちの状況 二輪車の状況 交通渋滞

火力発電所の環境影響評価

環境技術支援対象国の法制度や実情に沿った環境影響評価手法を基に、既設の発電所並びに新設プラントへのEIA(Environmental Impact Assessment)適用のための指針案を提案するなどの支援を行っています。
特に、環境負荷の低減を目指すケースでは、モデル発電所に対してEIAを実施し、排出量削減対策を示すとともに、EIAの基準を遵守するための環境保全政策の提言、技術移転を行っています。
そのほか、環境問題重点地域では、環境を保全するための条件を考慮した環境基準や排出基準の設定方法を紹介し、火力発電所等の新設または増設する際の建設可否の判断を明確に行うための総合的、包括的なガイドライン等に関する調査も実施しています。

冷却塔からの水蒸気

煙突からの排煙

実績

  • 大気汚染総合対策計画
    中国貴陽市大気汚染対策計画調査
    インドネシア国ジャカルタ市大気汚染総合対策計画調査
    中国柳州市大気汚染総合対策計画調査及び広域酸性降下物モニタリング・調査
  • 技術協力プロジェクト
    モンゴル国ウランバートル市大気汚染対策能力強化プロジェクト
    ルーマニア国国立環境レファレンスラボラトリー強化プロジェクト
    メキシコ国全国大気汚染モニタリング強化支援プロジェクト
  • GHGインベントリ
    インドネシア国気候変動対策能力強化プロジェクト・サブプロジェクト3「国家温室効果ガス(GHG)インベントリ作成体制構築」
    ベトナム国家温室効果ガスインベントリ策定能力向上プロジェクト
  • GHG削減に関する新メカニズム
    モンゴル・石炭火力発電所の複合的な効率改善に関する新メカニズム実現可能性調査
    モンゴル・二国間オフセット・クレジット制度のMRVモデル実証調査「地域暖房における高効率型熱供給ボイラの更新・新設」
  • 都市交通環境改善計画
    マレイシア国クアラルンプール都市交通環境改善計画調査
    タイ国バンコク都市環境改善計画調査
  • 火力発電所の環境影響評価
    アルゼンティン国火力発電所設置に係る排出基準設定調査
    イラン国火力発電所環境影響評価調査
    ブラジル国石炭火力発電所環境影響評価調査