事業内容

大気環境

大気汚染対策

国や地方公共団体などの行政機関は、大気汚染を防止するための発生源対策計画の立案、抑制効果の予測・評価などの調査を行っています。発生源としては、工場・事業場、自動車、船舶、一般家庭、業務施設などが有ります。近年は、大気環境濃度が大幅に改善してきましたが、大都市の道路沿道地域での二酸化窒素環境基準の超過や光化学オキシダントのように広域的に高濃度となる現象は、まだ、環境改善の途上です。

このように大都市の行政機関では、道路沿道での自動車対策に加えて、光化学オキシダント対策のために、オキシダント生成のもとになる物質である揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)や窒素酸化物(NOx)の排出抑制対策を併せて進めています。

数理計画は、これらの対策の効果的な適用のための支援調査を行っています。例えば、VOC対策では、自治体で排出されているVOC排出量の推計や今まで未把握だった「船舶の荷役」時のVOC排出量推計調査も行っています。また、低減効果を最大にするためのVOCとNOx許容量の推計にも取り組んでいます。

最近の特殊な予測事例では、石炭粉じん対策があります。これは貯炭場の石炭粉じんの風による舞い上がりを抑制を検討する方法ですが、貯炭場の設置業者(行政機関又は民間業者)が粉じん対策を行うために、防塵対策を行ったケース毎の飛散量を予測する調査を実施しています。

実績

  • 【国・自治体】船舶からの荷役に伴う揮発性有機化合物(VOC)排出に関する調査
  • 【国・自治体】揮発性有機化合物排出実態調査(推計調査)
  • 【国・自治体】港湾設計委託(ふ頭埋立造成)(防塵柵対策)

大気汚染物質広域シミュレーション

大気のシミュレーションでは、広域(例 南関東全域)的に高濃度がひろがる光化学オキシダント(Ox)や微小粒子状物質(PM2.5)の濃度を短時間(時刻、日)単位で予測します。また、特定の発生源対策を導入した場合の地域の排出量を推計し、大気中濃度の改善効果を評価し、適切な対策導入ケースを検証します。

実績

  • 【国・自治体】光化学オキシダント対策基礎調査
  • 【国・自治体】シミュレーションモデルによる微小粒子状物質等の予測調査委託

化学物質対策/PRTR排出量

数理計画は、PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)制度が開始される際のパイロット事業で、届出対象外の排出量推定方法の検討を行ってきました。2012年度には、届出対象外の排出量のメッシュ別排出量の推定(メッシュは地域をある大きさをもつ長方形の格子)を行い、各種の統計量(代表的なものは人口)を利用した連関性の解析など利便性を考慮した運用を検討しています。

ダイオキシン類を排出する施設は、「ダイオキシン類対策特別措置法」により、排出基準が定められており、当該施設は都道府県知事への排出状況報告が義務づけられています。 国はこの報告をとりまとめ、毎年、ダイオキシン類の排出目録を作成するとともに、都道府県からのダイオキシン類の環境濃度の報告を受け環境情報を公表しています。

実績

  • 【国・自治体】PRTR非点源排出量推計方法検討調査
  • 【国・自治体】地域における化学物質の環境リスク低減支援業務
  • 【国・自治体】ダイオキシン類対策環境情報調査

有害大気汚染物質リスク評価

大気汚染防止法では、事業者は有害大気汚染物質の排出と飛散を抑制するための措置を講ずることとされていますが、一方で、自治体は事業者に対して必要な情報を提供する努力が義務づけられています。
数理計画は、事業者にとって使いやすい「環境リスク評価手法」の開発(有害大気汚染物質のリスク【大気の汚染による人の健康に係る被害が生ずるおそれの程度】評価手法)業務を受託して実施しています。

実績

【国・自治体】有害大気汚染物質環境リスク評価事業

特殊条件下における大気拡散予測/複雑地形、建物影響

【短時間予測、複雑地形】

最近の「大気環境予測の分野」では、従来のガウス型分布に基づく解析解型拡散モデル(長期的な平均値を推計)では扱うことが難しい現象に焦点が当たっています。
例えば、時々刻々変化する局地風の循環の中で起こる短期高濃度現象や化学反応によって生ずる2次生成物質濃度の再現や予測、それらの低減対策の検討などのテーマです。
このような問題には局地気象予測モデルが組みこまれた非定常・数値解型のシミュレーション・モデルを活用するアプローチが有効です。 数理計画では実地形データに基づいて3次元の空間で局地風循環を予測する「数理計画局地気象モデル」や、移流・拡散と同時に複雑な化学反応や沈着過程を進行させる「移流・拡散・反応モデル」などを開発・運用しており、環境影響評価や環境濃度低減対策の検討・策定などの分野で実績をあげています。

関東地域の海陸風計算例

【建物、特殊気象】

工場・事業場の敷地内やそれらの周辺部などの狭域における大気環境評価では、地物・建物・設備構造物等の影響を受けた複雑な気流の効果を無視することができません。また、身の回りの大気と大きく性状の異なるガス(高温/低温・高密度/低密度・高圧/低圧・高分子量/低分子量など)が対象となる場合や、特殊な条件下で起こる拡散(高速噴出・爆発・漏洩・蒸散・事故時など)を予測する問題なども、これまでのガウス型分布に基づく解析解型拡散モデルで扱うことは困難です。これらの問題を取り扱うには、3次元の空間を細かい格子に分割し、流体力学の基礎方程式を解く数値解型のモデルが必要で、 オリジナル開発の「数理計画ミクロスケール・モデル」や汎用計算流体力学コードのスタンダートであるCHAM社の「PHOENICS」などを運用し、これらの課題に取り組んでいます。

都市域の拡散実験シミュレーション

実績

  • 【民間】LNGタンク安全弁放散時の低温ガス拡散状況解析委託
  • 【国・自治体】
    局地汚染地域におけるシミュレーションモデルを用いた各種自動車排出ガス抑制対策の環境改善効果評価手法確立に関する研究

騒音・振動、低周波音/うるささ

さまざまな公害の中で、大気汚染に続いて苦情が多いのは騒音です。ここでは、まず現況調査を行い、「うるささ」の原因を探り、そして対策方法を検討します。また、振動では、建設作業中の振動苦情が6割以上を占めており、快適な生活を確保するための行政支援を進めています。 数理計画では、工場・事業場、道路交通、航空機などの騒音・振動・低周波音に係わる対策検討の分野でも取り組んでいます。

実績

【国・自治体】発電所1号機燃料転換に伴う環境影響調査